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2022年度主将

好きな本の話

 授業が始まって一週間経ちました。主将です。最近気温差が激しいですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回は、自分の好きな本の話でもしていこうかと思います。


 私は神大生らしくちょくちょく本を読むのですが、偏食家なので自分の好きなジャンルの本しか読みません。ではどんな本を読むかというと、神話、SF、宗教、歴史、心理学がメインです。最近検定の勉強とかであんまり読めてませんが。これを見ただけでも、私が偏屈な人間だとわかると思います。おかげで大学では同じ学科の人との読書の話が盛り上がりません。悲しいです。本の話が弾んだのは前主将と聖書トークしたときだけだと思います。聖書の話をしてもいいのですが、デリケートな部分もあるので今回は好きな小説を一つ紹介しようと思います。

それは、円城塔の「Self-Reference Engine」です。この本の概要は、「彼女のこめかみに埋まった弾丸。鯰文書の謎を解き明かす老教授の最終講義。床下の大量のフロイト。異形の巨大石像と白く可憐な靴下。岩場を進む少年兵の額に灯るレーザーポインタ。反乱を起こした時間。そして、あてのない僕らの冒険──これはSF?文学?あるいはまったく別の何か?」(Amazonの商品紹介ページより抜粋)という感じです。これでこの小説のストーリーを理解できた方はなかなかいないと思います。何回か読んだ私もよくわかっていません。一言でいえば「よくわからない」に尽きる小説です。昨今の小説やストーリー、各種情報に求められるような「わかりやすさ」のかけらもないような小説ですが、その「よくわからなさ」こそがこの小説の魅力だと思っています。一般的な文脈に当てはめただけでは意味が分からないからこそ、読者はこの小説を何度も読んで、類推して、自分なりの解釈を作ります。この作業こそが楽しく、その「よくわからなさ」ゆえに普通の小説よりも多くの解釈を許容する点こそがこの小説の魅力だと思っています。そして、ひとつひとつの物語の間に意味を見出していくことに大きな価値が生まれるのだと思います。もっとも、ここで述べたような楽しさ、魅力は他の小説でも十分体験できます。ですが、この小説ではその楽しさをより強烈に楽しむことができます。なんたって、そうしないとこの小説わけわかりませんから。わけわかんなさを楽しむ小説ともいえます。それでは、ここで今回の記事を終わりにしたいと思います。今回言いたかったことは、陳腐な言い方をすると考えることの楽しさです。とはいえ、この小説は雰囲気だけでも十分楽しめる小説ですし、私も初めはそうしましたし、そういう楽しみ方を想定されてるんじゃないかって思ってます。興味を持ちましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。


 好きなことを活動の一環で語っても許される寛容な杖道同好会は、毎週水曜日と土曜日に活動しています。もし少しでも興味を持たれましたら、ぜひTwitterのDMやメール等でご連絡ください。大歓迎です。会員は小躍りします。それでは皆様体調に気を付けてお過ごしください。また次の記事か練習でお会いしましょう。


ELDEN RINGクリアしました


2022年度杖道同好会主将

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